内容紹介
目指すサウンド、エフェクトは自分で作る!
音(サウンド)を扱う場合、自分の目指すエフェクトや欲しいサウンドをイメージしてもどのようにアプローチすればいいか分からないことが多々あります。
本書は、サウンドクリエータ、音を扱うエンジニア等を対象に、音合成の方法をプログラミングを通して解説するものです。音に関する理論的な事項と実践的なプログラミングを通じて、音の合成やエフェクトについて学ぶことができます。
このような方におすすめ
コンピュータ音楽を研究する学生・技術者
音響信号処理、音楽信号処理を学ぶ学生・技術者
目次
主要目次
●第1章 音合成に必要な音の基本的概念
●第2章 デジタルオーディオと信号処理
●第3章 サウンド環境の構築
●第4章 音源の合成
●第5章 代表的なエフェクト
●第6章 音声信号処理技術を応用した合成方式
詳細目次
●第1章 音合成に必要な音の基本的概念
1.1 音の理解とその表現
1.2 音の数理表現
1.3 音響特徴量
1.4 音と音楽
1.5 音楽の構造
1.5.1 音程と音階
1.5.2 音律
1.6 音の高さ
1.6.1 音の高さの呼称と音程
1.6.2 心理量としての音の高さ
1.7 音の表現とサウンドプログラミング
1.8 まとめ
参考文献
●第2章 デジタルオーディオと信号処理
2.1 音のサンプリング
2.2 量子化
2.3 サンプリング定理
2.4 AD 変換とDA 変換
2.5 線形時不変システム
2.6 積和演算
2.7 連続波形と離散波形
2.8 インパルス応答
2.8.1 線形性
2.8.2 インパルス信号
2.9 周波数領域での表現
2.10 三角関数とその複素表現
2.11 z 変換
2.11.1 遅延要素の表現
2.11.2 z 領域でのシステムの入出力
2.11.3 周波数応答
2.12 離散フーリエ変換
2.13 離散フーリエ変換の実信号への応用
2.13.1 FFT
2.13.2 フーリエ分析のまとめ
2.14 まとめ
●第3章 サウンド環境の構築
3.1 C 環境の準備
3.2 テキストエディタの準備と本書のサイトへの接続
3.3 コマンドプロンプトの操作
3.4 簡単なプログラム
3.5 音ファイルの入出力
3.6 wav ファイルの書式
3.7 正弦波音ファイルの作成
3.8 GUI を持つプログラム
3.8.1 ウィンドウの表示
3.8.2 ボタン・OK ボタンの表示と簡単な描画
3.9 リアルタイム音合成
3.9.1 ディスクファイルからの再生
3.9.2 関数波形のリアルタイム再生
3.9.3 鍵盤制御によるハーモニクス音の制御
3.9.4 波形テーブル合成
3.10 まとめ
●第4章 音源の合成
4.1 関数波形の合成
4.1.1 正弦波
4.1.2 白雑音
4.1.3 三角波およびその他の関数による合成
4.2 変調合成
4.2.1 リングモジュレーション
4.2.2 振幅変調
4.2.3 周波数変調
4.3 波形テーブル合成
4.3.1 任意周波数の正弦波の合成
4.3.2 掃引関数による波形テーブル合成
4.4 Karplus-Strong 方式による撥弦音の合成
4.5 Karplus-Strong 方式による打楽器音の合成
4.6 母音の合成
4.6.1 音声表現のモデル
4.6.2 音声合成
4.6.3 母音‘ieaou’ の合成
4.7 歌声の合成
4.7.1 CHANT システムの概要
4.7.2 デジタルフィルタの概要
4.7.3 CHANT におけるデジタルフィルタの具体化
4.7.4 FOF フィルタの具体的構成
4.7.5 プリエンファシスとデエンファシスおよび後処理
4.7.6 実プログラムと実際の計算
4.8 打撃音の合成
4.8.1 素材部の表現
4.8.2 全体構成と共振部
4.8.3 IIR フィルタ
4.8.4 共振部で用いられたIIR フィルタ
4.9 まとめ
参考文献
●第5章 代表的なエフェクト
5.1 評価用楽曲制作のための簡易ツールと合成音源
5.2 FIR フィルタの合成
5.2.1 FIR フィルタの事例
5.3 理想的ローパスフィルタとその応用
5.3.1 ローパスフィルタ
5.3.2 ハイパスフィルタ
5.3.3 バンドパスフィルタ
5.3.4 バンドエリミネートフィルタ
5.4 櫛型フィルタ
5.4.1 FIR 櫛型フィルタ(1):加算の場合
5.4.2 FIR 櫛型フィルタ(2):減算の場合
5.4.3 IIR 櫛型フィルタ(3):加算の場合
5.4.4 IIR 櫛型フィルタ(4):減算の場合
5.5 オールパスフィルタ
5.6 遅延
5.6.1 1 タップ遅延処理
5.6.2 マルチタップ遅延処理
5.7 残響
5.7.1 室内残響の原理
5.7.2 後部残響音の構成
5.7.3 残響モデルの各部位における反射特性
5.7.4 残響のシミュレーション
5.8 非線形アンプ
5.9 まとめ
参考文献
●第6章 音声信号処理技術を応用した合成方式
6.1 分析合成系
6.2 オーバーラップアド方式
6.2.1 窓関数
6.2.2 窓関数を用いた重ね合せ
6.2.3 何も処理をしないオーバーラップアド方式
6.3 細粒合成
6.3.1 オーバーラップアド方式による細粒合成
6.3.2 オーバーラップアド方式による細粒合成プログラム
6.3.3 細粒合成の使用例とその音色
6.4 振幅スペクトルからの信号波形の推定による波形伸縮
6.4.1 基本的なアルゴリズムとプログラムとの対応
6.4.2 FFT の準備と実行形式ファイルの作成
6.4.3 信号波形推定方式の評価
6.4.4 細粒合成による伸縮とオーバーラップアド方式による評価
6.5 周波数領域での表現
6.6 フェーズボコーダ
6.6.1 フェーズボコーダプログラムの操作の定式化
6.7 正弦波モデル
6.8 まとめ
参考文献
おわりに
付録I:アタックの解析的説明
付録II:さまざまな音色のモデルパラメータ例
付録III:フェーズボコーダの定式化
索引
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