■開発背景
脱炭素化へ向けた動きのひとつとして自動車の電動化が進んでいる. その中で充電インフラの整備は重要な役割を担っており,日本政府が掲げるグリーン成長戦略では,2030年までに急速充電器3万基を設置するという目標があることから急速充電器を始めとする充電インフラの拡充が進められている.
また,電気自動車(以下EV)が普及することにより目的地充電のニーズが生まれている. これまで高速道路などの移動途中にEVを充電する『経路充電』施設へ従来のスタンダードである50kW出力容量の急速充電器設置が進んできた. そして,EVの普及が進むにつれて今後は社用車や軽自動車などのEV化を起因とした多種多様な充電利用シーンが想定される. その中で,滞在している施設でEVに充電をする『目的地充電』施設へ新たに充電器設置の需要が増えてきている. しかしながら,『目的地充電』施設として挙げられる工場や事業所など2~4時間の滞在時間が想定される場所で,EVの充電に適した充電器がこれまでなかったのである.
■製品特長
このようなニーズに応えるため2~4時間ほどでEVへのフル充電可能な15kW出力の中容量急速充電器を開発した. 例えば,会社の事業所内に本製品を設置することで,社用車や従業員の通勤時に使用するEV向けの充電設備として利用できるのはもちろんのこと,EVで来訪したお客様が打ち合わせなどの時間を利用して充電できるサービスを提供するなどの運用方法に最適である.
本製品には3つの特長がある. 1つ目は,設置の際の汎用性の高さである. 業界最薄※の奥行き200mmを実現し限られたスペースでの設置を可能としたほか,標準の壁掛設置をはじめとして自立設置や半自立設置にも対応することで様々なシチュエーションで使用できる. 2つ目は,出力容量の大きさである. 15 kWという従来よりも小さい容量とすることで,契約電力への影響を少なくし,急速充電器の設置に対するハードルを低くしている. 3つ目は,本製品の扉部をお客様からの要望に合わせたデザインに変更することも可能な点だ. これにより,お客様の企業イメージ等を表現することができる.
更に,急速充電器の保守は当社100%子会社である株式会社ミントウェーブによる24時間365日対応可能な保守サービスにより,安心した急速充電器の利用が可能となっている.
※ 2022年6月9日時点. 株式会社東光高岳調べ