■製品概要
天井内配線作業は,高所でかつ暗く狭い環境下での作業であり,安全性と生産性の向上が課題となっています. このような課題解決に向けて2016年の出展品(図1参照)から天井内配線ロボットの改良を重ね,走行性能,視認性,操作性を格段に向上させることができました. 「楽々とおる君NEO」(図2参照)は,作業員に代わり天井内を移動して,天井内の配線作業,点検作業をサポートします.
■特長
抜群の走行性能
●タイヤにスポンジ素材の採用
タイヤにスポンジ素材を採用し,タイヤの表面に液体樹脂でコーティングを施した. タイヤに柔軟性が付与されたことにより,タイヤが天井下地(フレーム材料)や照明器具,ケーブルなど天井内の既存設備,障害物との干渉が低減され,乗り越え性能が格段に向上. 既存設備の損傷リスクを低減することにも寄与している.
●狭隘部の進入性
360度ライブカメラは可倒式であり,カメラを倒すことで,ロボットの本体高さを19 cmまで低減でき,天井内の狭隘部への進入を容易にしている.
●旋回性能の向上
左右独立の4輪駆動の車輪配置を正方形状に近づけたことで,旋回性能が向上している.
高い視認性,容易な操作
●360度ライブカメラの搭載
360度ライブカメラを搭載し,カメラ映像の伝送はWiFi無線を利用した. カメラを最大37cmの高さまで上げることができ,俯瞰的な視野を得ることが可能. また,車体の前後,アームの前後左右にはライトを取り付け,周囲とロボットの状況を把握しやすくしている.
●モニターにタブレットを採用
モニターのタブレット端末は,指のスワイプ操作で見たい視野を容易に確認できる.
既存設備への影響低減
●スポンジ素材のタイヤの採用
●インホイールモータの採用
駆動モータをホイール内に入れる構造を採用.
●軽量化
ロボット本体を主にアルミと3Dプリンタで造形した樹脂ケースで構成することで2016年度版より軽量化を実現している.
●絶縁化
アルミ部分のフレームは,熱収縮チューブで絶縁化. ロボットから導電性部分を保護し想定外の電気事故を生じさせないように配慮.
多様な利用シーン
天井内の配線作業にとどまらず,施工前の点検などの配線以外の用途にも活用が可能である. また,天井内にとどまらずフリーアクセスやケーブルラックなどへの活用も期待できる.
これらの特徴,多様な利用シーンでの活用によって「楽々とおる君 NEO」は,現場作業の安全性と生産性向上に寄与する.