ブレーカの基本機能である過電流保護機能と, 計測機能及び計測値表示機能を従来品よりも小さくなったボディに搭載した業界最小クラスのブレーカである. スマートブレーカは電流・電圧センサを内蔵しており, 設置された電路の情報（電流・電圧・電力・電力量・力率・周波数等）を計測して表示できる. ブレーカの外形寸法は従来品よりも小形化（高さ寸法が25 mm減少）したので, 狭いスペースにも設置が可能. 計測器（電流計・電圧計・電力計等）の設置と複雑な配線が不要となるので, 工期の短縮にも貢献する. 
　計測機能は国際規格IEC 61557-12に準拠したリーディング精度を採用. 従来品で採用していたフルスケール精度よりも計測精度が格段に向上した. 電流計測はClass1, 電力計測はClass0.5, 電力・電力量計測はClass2の計測精度を実現. （ClassはIEC 61557-12に規定されている精度基準でClass1の場合は計測された値に対して±1%の計測誤差であることを示している. ）
　計測値の表示部には視認性を重要視して有機ELディスプレイを採用. また, 計測項目の名称を全てアイコン化表示することにより, 小さい表示エリアでもどの計測値が表示されているのかがひと目でわかる表示形態になっている. 
　機能拡張性にも優れており, 外部表示器, 通信モジュール, 補助警報スイッチのオプション製品がある. 外部表示器は配電盤内に設置されたスマートブレーカの計測値を配電盤パネル面で確認するための拡張ディスプレイである. 通信モジュールはスマートブレーカと接続することで計測データの通信が可能. 市販のイーサネット変換器と管理ソフトを組み合わせることで, パソコン上で計測データの管理・監視ができる. 補助警報スイッチはブレーカの開閉回数とトリップ動作（過電流保護時の動作）の回数をカウントし, スマートブレーカの表示部に表示する. （外部表示器を併用した場合は外部表示器の表示面, 通信モジュールを併用した場合はパソコンの画面でも表示が可能. ）
　スマートブレーカの持つ高精度の計測機能及び機能拡張性は脱炭素社会実現の取組みに必須であるエネルギーマネジメントシステムや次世代のメンテナンスとして注目されているCBM（状態基準保全）のシステム構築に大きく貢献できる製品である.