内容紹介
情報化社会の建築物の「接地」をシステムとしてとらえ,等電位ボンディング,EMCにも言及!!
「接地」は電力技術,情報通信技術の分野で重要な役割を担っており,誰もが接地の大切さを認識している.先端技術のような華やかさはなく,いわば「縁の下の力持ち」あるいは歌舞伎の「黒子」のようなものである.
本書はこの「接地」を,単に技術としてばかりでなく,システムとしてとらえていることが,大きな特長である.当然,接地の基本である保安用接地,機能用接地,外部雷保護はもとより,高度情報化時代には欠かせない接地システムの構築,等電位ボンディングシステムの構築,さらにはEMCまでを解説している.
このような方におすすめ
電気設備の設計・施工・管理技術者並びに情報・通信設備の関係者
目次
主要目次
第1章 多様化する接地技術
第2章 接地システムに関する基準・規格
第3章 統合接地システム
第4章 雷保護
第5章 EMC
第6章 等電位ボンディング
第7章 3Pコンセントシステム
第8章 IEC規格
詳細目次
第1章 多様化する接地技術
1.1 接地の目的と必要性
1.1.1 接地の目的
1.1.2 保安用接地の必要性
1.1.3 機能用接地の必要性
1.2 接地システムの役割
1.2.1 接地システムとは
1.2.2 雷保護との関係
1.2.3 EMCとの関係
1.2.4 等電位ボンディングとの関係
1.2.5 建築設備との係わり
1.3 接地の用語・記号の標準化
1.3.1 標準化の必要性
1.3.2 接地の用語
1.3.3 接地の図記号
1.4 接地技術の変遷
1.4.1 電気設備技術基準
1.4.2 漏電遮断器の導入
1.4.3 病院設備の安全強化
1.4.4 接地線および接地側電線の色別規格の作成
1.4.5 保安用接地の体系化
1.4.6 地絡保護の強化
1.4.7 建築物の避雷設備の構造体接地
1.4.8 接地抵抗計のJIS化
1.4.9 ビル接地の体系化
1.4.10 接地極の設計手法
1.4.11 接地システムの体系化
1.4.12 建築設備の電磁環境問題
1.4.13 国際的な接地研究の動向(参考)
第2章 接地システムに関する基準・規格
2.1 電気設備技術基準・解釈
2.2 日本工業規格(JIS)
2.2.1 一般特性の評価
2.2.2 建築電気設備における電磁障害(EMI)保護
2.2.3 接地設備及び保護導体
2.2.4 情報技術設備のための接地設備及び等電位ボンディング
2.2.5 データ処理機器の設備に対する接地の要求事項
2.2.6 建築物等の雷保護
2.3 国際機関における規格
2.3.1 国際電気標準会議(IEC)
2.3.2 国際電気通信連合(ITU)
第3章 統合接地システム
3.1 統合接地システムの目的と必要性
3.1.1 統合接地システムとは
3.1.2 統合接地システムの必要性
3.1.3 個別接地における電位干渉
3.2 わが国のビル接地の現状
3.2.1 ビル接地の施工事例
3.2.2 電気・電子機器の接地形態
3.2.3 ビルの接地形態
3.2.4 情報・通信機器メーカーの接地計画の現状
3.3 統合接地システムの構築
3.3.1 統合接地システムの基本概念
3.3.2 統合接地システムの構成
3.3.3 システム構築に向けた技術的課題
第4章 雷保護
4.1 外部雷保護システム
4.1.1 落雷のメカニズム
4.1.2 外部雷保護システムの新しい動き
4.1.3 外部雷保護の保護レベル
4.1.4 接地極システム
4.2 内部雷保護システム
4.2.1 内部雷保護とは
4.2.2 雷サージの形態
4.2.3 建築物に侵入する雷に起因する過電圧
4.2.4 低圧電路における雷サージ
4.2.5 雷サージの電磁環境の分類
4.2.6 雷サージの保護対策
4.2.7 ビル鉄骨に流れる雷電流分布
4.2.8 雷保護ゾーン
4.2.9 雷電磁パルスによる誘導電圧
4.2.10 建築物の電力線・通信線のワイヤリング
4.2.11 過電圧保護
4.3 接地システム
4.3.1 建築物内の情報技術機器の接地
4.3.2 敷地内における建築物の接地
第5章 EMC
5.1 電磁環境におけるノイズ問題
5.1.1 EMCとは
5.1.2 ノイズとは
5.1.3 我々を取り巻く電磁干渉
5.2 電磁障害の事例
5.2.1 CIM化した生産施設
5.2.2 一般生産施設・ビル
5.3 接地システム
5.3.1 EMC接地システムの特徴
5.3.2 信号用接地の考え方
5.3.3 ノイズ防止
5.3.4 ノイズモード
5.3.5 接地系の周波数特性
5.3.6 接地線の電気的特徴
5.3.7 シールド
5.3.8 接地極の有効長
第6章 等電位ボンディング
6.1 等電位ボンディングの基礎知識
6.1.1 等電位ボンディングとは
6.1.2 等電位ボンディングの種類
6.1.3 ボンディングに関する用語
6.2 低圧電路設備における等電位ボンディング
6.2.1 保護等電位ボンディング
6.2.2 ボンディング用導体の選定
6.2.3 保護等電位ボンディングシステム
6.3 情報・通信設備における等電位ボンディング
6.3.1 機能等電位ボンディング
6.3.2 ボンディング用導体の選定
6.3.3 機能等電位ボンディングシステム
6.3.4 ボンディングネットワーク・システム
6.4 雷保護設備における等電位ボンディング
6.4.1 雷保護等電位ボンディング
6.4.2 ボンディング用導体の選定
6.4.3 雷保護等電位ボンディングシステム
6.4.4 建築物におけるボンディングの具体例
第7章 3Pコンセントシステム
7.1 3Pコンセントシステムの構成
7.1.1 3Pコンセントシステムの特徴
7.1.2 3Pコンセントの種類
7.1.3 3Pコンセントシステムの配線
7.2 感電防止のための電気機器の分類
7.3 PL法との係わり
7.3.1 PL法とは
7.3.2 接地を必要とする家電機器
7.3.3 安全確保のための表示
7.3.4 3Pコンセントシステムの普及に向けて
第8章 IEC規格
8.1 国際標準化の活動
8.1.1 歴史的経緯
8.1.2 日本工業標準調査会の活動
8.1.3 国際整合化の背景
8.1.4 電技の対応
8.1.5 IEC規格導入の留意事項
8.1.6 JISの対応
8.2 TC 64(建築電気設備)
8.2.1 TC 64の活動
8.2.2 IEC 60364規格の構成
8.3 TC 81(雷保護)
8.3.1 TC 81の活動
8.3.2 規格作成の状況
8.4 JWG 31(過電圧保護規格合同作業会)
8.4.1 JWG 31の活動
8.4.2 規格作成の状況
引用・参考文献
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