内容紹介
東日本大震災後の復興ビジョンを提言。産業振興論から社会システム論へ。
東日本大震災後の復興ビジョン、コンセプトを提言します。政府復興会議で提案し評価を得た内容をベースに、その実行計画や中長期的な復興のコンセプト、具体案をさらに煮詰め、街づくり・社会づくりなど「国として今後なすべきこと」をまとめた点が他書にない特徴です。政府の復興対策にも骨子が反映されています。著者が提唱する「社会システムデザイン」の考え方を基本とし、消費者・生活者の視点に立った我が国の目指すべき新しい経済ビジョンのヒントを提案しています。
このような方におすすめ
東日本大震災の復旧・復興、および我が国が目指す発展の方向に興味がある産業界の経営層・企業人、一般人。
国・地方自治体の災害関係者。
建設・医療・福祉・技術など復興を支援する多分野のエンジニア、技術者、一般の方。
目次
主要目次
第1章 東日本大震災と復興ビジョン
第2章 発想の大転換
第3章 東北地方での「先駆的地域社会」構築
第4章 財源と推進の体系
第5章 天災に強い日本社会の構築に向けて
詳細目次
第1章 東日本大震災と復興ビジョン
・はじめに
・基本は「四つの提言」
第2章 発想の大転換
・復興は「社会システム・デザイン」のアプローチで
・産業振興の視点でものを考えない
・社会システムは2軸の平面で考える
・「社会システム・デザイン」の五つのステップ
・ステップ1:分野に内在する「悪循環」を発見し定義する
・「悪循環」の例:少子化対策
・ステップ2:状況を変革する「良循環」を新たに創造する
・住宅供給の「良循環」の例
・ステップ3:両循環を駆動するサブシステムを抽出する
・「先駆的地域社会」の創出を狙え
・「クリティカル・マス」まで資源を投入せよ?
第3章 東北地方での「先駆的地域社会」構築
・「先駆的地域社会」への五つの方法
・地震・津波に強い街づくり
・先駆的な農業・漁業---「食糧供給システム」の構築
・「先駆的地域社会」への四つの方向
-低炭素化と経済規模の拡大が両立する社会
-雇用と生活利便性の確保
-地方から発送した経済、社会、文化へ
-厳しく暖かい生活保護
・電力供給と経済規模の変革が条件
・新しいエネルギー供給システムの条件
・データを見ながら考える
・有効な節電対策とは
・蓄電池の位置付け
・東北地域で可能な先駆的取組み
・新しい医療体系構築の好機
・食を中心とした「観光システム・デザイン」へ
・成長は既存の技術で実現できる
・日本全体の復興ビジョン
・平等な雇用システムで実現
・循環型の発想
・中央からの押しつけでは成功しない
・働く女性などの自立型生活支援策が重要
・早期復興を支えるインターネット利用
・放射能汚染、アスベスト汚染の解決は最重要課題
・アスベスト問題は被災地でなくても深刻?
第4章 財源と推進の体系
・「先駆的地域社会」実現に必要な財源、特区構想
・消費税増税、課税の考え方
・資金の環流と「見える化」
・復興の中核となる組織の整備?
第5章 天災に強い日本社会の構築に向けて
・緊急時の首都機能保全対策
・東北地方にシェルサイトを
・プロを中心に据えた放射能問題への長期戦略
・おわりに
・索引
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