内容紹介
歩行運動の実行・調節に作用する「知」の発現のしくみを解明!
ヒトや動物,ロボットなどの適応的な運動機能の形成には,「身体」を介して,環境・他者・社会との多様な相互作用を生み出す「移動」という行為が重要です。
本シリーズは,「移動知」という新たな視点から適応的運動機能の発現メカニズムと,その背後にある共通原理を記述した4巻より構成される専門書で,かつ大学院生向けテキストです。
本巻(第2巻)では,歩行運動に焦点を当て,歩行運動がいかに実行・調節されているか,その障害の様態について解説し,それらをシミュレーション解析します。さらに,人工筋二足ロボットや四足歩行ロボットの開発について解説します。
このような方におすすめ
知能システム,ロボティクス,制御システム工学,認知科学,脳神経科学分野の技術者,研究者,大学院生
目次
主要目次
第1章 運動機能の神経機構
第2章 歩行の神経機構─実行系─
第3章 歩行の神経機構─調節系─
第4章 歩行の神経機構─高次機能─
第5章 歩行運動のシステムシミュレーション
第6章 歩行障害のシステムシミュレーション
第7章 受動的動歩行
第8章 歩行の工学的実現(Ⅰ)─人工筋二足ロボット
第9章 歩行の工学的実現(Ⅱ)─四足歩行ロボット
索引
詳細目次
第1章 運動機能の神経機構
1.1 環境─身体─脳の相互作用と歩行
1.2 脳の進化と運動機能の発達
1.3 脳(中枢神経)の構造と機能
1.4 運動機能総論
1.5 参考文献
第2章 歩行の神経機構─実行系─
2.1 大脳皮質─脳幹─脊髄系
2.2 歩行運動における随意的側面と自動的側面
2.3 参考文献
第3章 歩行の神経機構─調節系─
3.1 適応的歩行における小脳の役割
3.2 基底核皮質系と歩行調節
3.3 調節系異常と歩行障害
3.4 参考文献
第4章 歩行の神経機構─高次機能─
4.1 大脳皮質の解剖
4.2 歩行制御に関与する大脳皮質領域
4.3 大脳皮質と歩行障害
4.4 ヒト二足歩行の理解に向けて
4.5 参考文献
第5章 歩行運動のシステムシミュレーション
5.1 歩行運動の基本メカニクス
5.2 筋骨格系の構造とモデル
5.3 身体運動のモデル解析とシミュレーション
5.4 ニホンザル二足歩行運動のシステムシミュレーション
5.5 参考文献
第6章 歩行障害のシステムシミュレーション
6.1 はじめに
6.2 多形回路における多様なパターン発現
6.3 自律分散的に歩行パターンを生成する六足歩行システム
6.4 即時的に環境適応する二足歩行システム
6.5 参考文献
第7章 受動的動歩行
7.1 なぜ受動的ロコモーションに着目するのか
7.2 受動的動歩行現象のからくり
7.3 受動的ロコモーションが示す適応機能
7.4 参考文献
第8章 歩行の工学的実現(Ⅰ)─人工筋二足ロボット
8.1 空気圧人工筋
8.2 空気圧人工筋を利用した適応的二足歩行
8.3 筋拮抗構造と歩行速度
8.4 床を「感じ」速度を変える人工筋二足ロボット
8.5 さまざまなロコモーションの実現
8.6 二関節筋による関節の運動
8.7 「移動知」的二足ロコモーションの実現
8.8 参考文献
第9章 歩行の工学的実現(Ⅱ)─四足歩行ロボット
9.1 工学的実現に向けて
9.2 脚負荷に基づく位相調節
9.3 脚負荷に基づく歩容と姿勢の安定化
9.4 さらなる発展に向けて
9.5 参考文献
索引
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