内容紹介
「移動」によって生み出される「知」が適応行動を生み出すしくみを解説!
ヒトや動物,ロボットなどの適応的な運動機能の形成には,「身体」を介して,環境・他者・社会との多様な相互作用を生み出す「移動」という行為が重要です。「移動知」とは,この「移動」によって生み出される「知」を指します。
本シリーズは,「移動知」という新たな視点から適応的運動機能の発現メカニズムと,その背後にある共通原理を記述した4巻より構成される専門書で,かつ大学院生向けテキストです。
本巻(第1巻)では,移動知の基本的概念とともに,適応的行動生成における脳の役割,移動によって生み出される身体・脳・環境との相互作用,それから導き出された制御モデルの工学的な応用について解説します。
このような方におすすめ
知能システム,ロボティクス,制御システム工学,認知科学,脳神経科学分野の技術者,研究者,大学院生
目次
主要目次
第1章 移動知とは
第2章 新しい脳科学─認知脳科学から適応脳科学へ─
第3章 適応的行動の神経機構
第4章 適応・学習と情報生成
第5章 環境・身体・制御則の関連様式
第6章 身体が持つ受動的適応機能
第7章 適応機能を生む脳と身体の相互作用
第8章 移動知研究の展開
付録:用語集
索引
詳細目次
第1章 移動知とは
1.1 移動知の概念
1.2 移動知研究のニーズ:医学の立場から
1.3 移動知研究のニーズ:工の立場から
1.4 参考文献
第2章 新しい脳科学─認知脳科学から適応脳科学へ─
2.1 生命現象と現代科学
2.2 認知脳科学と適応脳科学
2.3 新しい脳科学としての移動知
2.4 参考文献
第3章 適応的行動の神経機構
3.1 適応的運動の脳生理─哺乳類を例として
3.2 適応的運動の脳生理─昆虫を例として
3.3 参考文献
第4章 適応・学習と情報生成
4.1 適応行動と内部モデル
4.2 みなしと拘束条件の生成
4.3 参考文献
第5章 環境・身体・制御則の関連様式
5.1 はじめに
5.2 生物の制御系
5.3 埋め込み問題
5.4 陰的制御則
5.5 おわりに
5.6 参考文献
第6章 身体が持つ受動的適応機能
6.1 なぜ真正粘菌に着目するのか
6.2 構成論的アプローチ-アメーバ様ロボットをつくる
6.3 実験結果
6.4 制御系と機構系の連関
6.5 参考文献
第7章 適応機能を生む脳と身体の相互作用
7.1 身体と情報処理系
7.2 生物─機械融合システム
7.3 行動実験
7.4 参考文献
第8章 移動知研究の展開
8.1 共通原理を目指して
8.2 新学術領域の創成
8.3 参考文献
移動知を理解するための基本用語解説集
索引
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