内容紹介
POSデータでマーケティング・リサーチの基本を学ぼう!
この本は、POSデータ(販売状況の管理データ)の分析を通じて、マーケティング・リサーチにおけるデータの集計・分析・可視化の基礎を身につける入門書です。以下4つのコンセプトに沿って構成しました。
① POSデータのダミーデータを用い
② 現実に近い分析のストーリーをもたせ
③ なるべく簡単なExcel 操作で
④ 分析の手順やコツを自然に学べる
各章の冒頭で「スーパーのマーケティング部の新人が、部長から集計や分析を依頼される」というストーリーが示され、そこで提示された課題に沿って学習を進めていきます。高度な理論の説明は控えて、実際にPOSデータの分析で求められる内容を中心に扱っています。本書を通読することで、単純集計やクロス集計、集計結果のグラフ化や検定、データ間の相関や回帰、同時に購買されやすい商品の分析方法やPOSデータから得られる指標(店頭カバー率、PI値など)の解釈などを身につけることができます。
数学が苦手な方、Excelの複雑な操作が苦手な方にもおすすめです。
<おすすめの用途>
・インターンや就職前の独習教材として
・大学のデータリテラシーの授業の教科書として
・ゼミ活動の準備段階の参考書として
・企業の新人、若手研修の補助教材として
<本書のポイント>
・ダミーデータを使って、実際にPOSデータの分析でよくぶつかる課題の解決方法を学ぶため、小売り業の現場に近いかたちでデータ分析の基礎を身につけられます。
・数式をほとんど使わないため、数学や統計学が苦手でも読み進めることができます。
・Excelの高度な操作は行わず、初出の操作は都度説明するため、Excelが苦手でも読み進めることができます。
このような方におすすめ
◎データ分析を学ぶ文系の大学生(商学部・経営学部・社会学部・心理学部など)
〇仕事でPOSデータを扱い始めた新社会人(営業、店舗責任者など)
目次
主要目次
第0章 この本の読みかた
第1章 「売り上げをまとめた資料を作っといて!」-データを集計してみよう-
第2章 「売り上げ、顧客層で違うよね?」-属性ごとに集計して検定してみよう-
第3章 「季節ごとの売上傾向ってわかる?」-時系列データを集計してみよう-
第4章 「なにが売り上げに影響したんだろう?」-データ間の関係性を調べよう-
第5章 「どの商品を同じ棚に置いたら売れやすい?」-併売の分析をしてみよう-
第6章 「売れる商品を狙って入荷しよう!」-店頭カバー率とPI値から売れ筋商品を見つけよう-
第7章 「新店舗、うまくいくかな?」-回帰分析で新店舗の売り上げを予測しよう-
詳細目次
第0章 この本の読みかた
0-1 この本で学べること
0-2 この本で扱う「POSデータ」とは?
0-3 この本の流れ
第1章 「売り上げをまとめた資料を作っといて!」-データを集計してみよう-
1-1 データの概要を知る
手順❶ データの大きさと内容を確認する
手順❷ データ内の項目の属性を確認する
手順❸ 基礎集計を行ってデータの傾向を確認する
Column 01 ピボットテーブルをコピーし別シートに値の貼り付けしておくことのススメ
1-2 資料作成に必要なデータを取り出す
手順❶ 自社商品の総売上金額と販売個数を算出する
手順❷ 月ごとの売上金額を算出する
手順❸ 時間帯ごとの売上金額を算出する
1-3 集計結果をグラフで可視化する
手順❶ 適切なグラフを選択する
手順❷ 棒グラフで商品/メーカーごとの売り上げを可視化する
Column 02 3Dグラフを使うべきではない理由
Column 03 ピボットグラフ機能で作るグラフ
手順❸ 折れ線グラフで月/日/時間帯ごとの売上金額の推移を可視化する
1-4 提出用の資料を作成する
まとめ 適切な集計はマーケティングの第一歩
第2章 「売り上げ、顧客層で違うよね?」-属性ごとに集計して検定してみよう-
2-1 自社商品における購入者の属性の違いを調べる
手順❶ 自社商品における性別と年代ごとの売上金額の違いを調べる
Column 04 誤読されにくいグラフを作るための配慮
手順❷ 自社商品における性別と年代ごとの売上個数の違いを調べる
手順❸ 自社商品における性別と年代ごとの販売回数の違いを調べる
手順❹ 自社商品の購入者について性別と年代の構成比率を調べる
Column 05 横棒グラフの並び順の変更
2-2 競合商品における購入者の属性の違いを調べる
手順❶ 競合A社における性別と年代ごとの売上個数の違いを調べる
手順❷ 自社と競合A社における購入者の属性の違いを比較する
2-3 購入者の属性による売り上げの違いが「本当にあるのか」を調べる
手順❶ 本当に差があるかどうか調べる「統計的仮説検定」について知る
手順❷ 自社商品の売上個数における性別と年代の差について検定を行う
手順❸ 自社と競合他社の売上傾向の差について検定を行う
2-4 報告用の資料を作成する
まとめ 属性ごとの集計でわかることがある
第3章 「季節ごとの売上傾向ってわかる?」-時系列データを集計してみよう-
3-1 商品ごとに売り上げの推移をまとめる
手順❶ 月ごとの売上個数の推移を集計する
手順❷ 日ごと・曜日ごとの売上個数の推移を集計する
手順❸ 7日間の移動平均を求めてグラフ化する
Column 06 オートフィルと参照形式
3-2 報告用の資料を作成する
まとめ 時系列での変化を意識しよう
第4章 「なにが売り上げに影響したんだろう?」-データ間の関係性を調べよう-
4-1 数値データ同士の関係を散布図で分析する
手順❶ 関係を調べたい外部データを結合する
Column 07 XLOOKUP関数を利用したデータの結合
手順❷ 結合した気温データを折れ線グラフで可視化する
手順❸ 売上個数と気温の関係を散布図で表す
4-2 数値データ同士の関係の強さを相関係数で表す
手順❶ 関係性の強弱を数値で表す「相関係数」について知る
手順❷ 各商品と気温の相関係数を算出する
4-3 数値データ以外との関係を集計で分析する
手順❶ 仮説に対して必要なデータを整理する
手順❷ 天気に対する売上個数の平均値を集計し解釈する
Column 08 連関係数
4-4 報告用の資料を作成する
まとめ 仮説や分析をもとに必要なデータを検討しよう
第5章 「どの商品を同じ棚に置いたら売れやすい?」-併売の分析をしてみよう-
5-1 ピボットテーブルで併売状況の基礎集計を行う
手順❶ 各商品の購入回数を集計する
手順❷ 各商品が併売されている回数を集計する
手順❸ 商品の購入回数と併売回数から商品間の併売比率を求める
Column 09 ビールと紙おむつ
5-2 アソシエーション分析で同時に購入されやすい組み合わせを見つける
手順❶ 「アソシエーション分析」の考えかたを知る
手順❷ 併売データの基礎集計を行う
手順❸ アソシエーション分析を実施し結果を解釈する
5-3 報告用の資料を作成する
まとめ アソシエーション分析で併売されやすい商品を知ろう
第6章 「売れる商品を狙って入荷しよう!」-店頭カバー率とPI値から売れ筋商品を見つけよう-
6-1 店頭カバー率から多くの店が扱っている商品を見つけ出す
手順❶ 週次集計のPOSデータを入手する
手順❷ 店頭カバー率を用いて流通力の高い商品を見つける
Column 10 セルの表示形式をパーセンテージ形式に変更する
6-2 対象店舗数ベースのPI値から売れている商品を見つけ出す
手順❶ 対象店舗における数量PIを調べる
手順❷ 対象店舗における金額PIを調べる
6-3 出現店舗数ベースのPI値から隠れヒット商品を見つけ出す
手順❶ 出現店舗における数量PIと金額PIを調べる
手順❷ これまでの分析結果をまとめる
6-4 報告用の資料を作成する
まとめ さまざまな指標を活用して売上アップを目指そう
第7章 「新店舗、うまくいくかな?」-回帰分析で新店舗の売り上げを予測しよう-
7-1 既存のデータから売り上げに関係する要因を抽出する
手順❶ 散布図で売り上げと項目の関係性を可視化する
手順❷ 相関係数から売り上げに影響のあるデータを見つけ出す
7-2 相関関係の強い指標間の関係を式で表す
手順❶ 単回帰分析を用いて各項目から売り上げを予測する回帰式を作る
Column 11 相関分析と回帰分析の違い
手順❷ 重回帰分析を用いて複数の項目から売り上げを予測する回帰式を作る
手順❸ 売り上げに影響しない要因を除外した回帰式を作る
手順❹ 回帰式から新規店舗の売上予測を行う
Column 12 TREND関数を使って予測値を算出する
7-3 報告用の資料を作成する
まとめ 立式は難しいけど応用が効く
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