内容紹介
第17回(令和5年度)
日本地図学会 学会賞《作品・出版賞》受賞!
第17回(令和5年度)
日本地図学会 学会賞《作品・出版賞》受賞!
これは、「科学」なのか、「美術」なのか? グラフィックデザインのモダニズム、ここに始まる。
いまから200年以上前に制作された、一枚の図。
この図は、「近代デザインの父」とされるモリスらの活動を
半世紀以上も先行していただけでなく、
現代のダイアグラム表現を凌駕する、高度な領域に達していた!?
デザイン史を揺さぶるこのグラフィックは、なぜ、制作されたのか。
「世界を描く」という不可能に挑戦した人たちの
知られざる科学的グラフィズム150年の軌跡。
雑誌『アイデア』の好評連載を待望の書籍化。
アレクサンダー・フォン・フンボルトからオットー・ノイラートまでの
科学的グラフィズムの壮大な物語。
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19世紀初頭の西欧は、「世界を視覚化する」という
いまだかつてない課題に直面していた。
自然現象の分布と生き物との相互連関を描く「生態系」の概念が生まれ、
科学の発展が「世界」を記述可能なものへと後押しし、
市民の台頭により「社会」全体を把握する必要性が出てきたのである。
巨視的で、かつ不可視な対象である「世界」を描くために、
ダイアグラムや主題地図などの新しい表現が次々に生み出された。
この作業を担ったのは、科学者、地図学者、官僚
あるいは画家といった、デザインの非専門家たちであった。
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【推薦の言葉、続々!】
中野 豪雄(アートディレクター・グラフィックデザイナー)
「関係づけ、比較し、体系立てる
“世界”を描く視覚表現の起源を紐解く
画期的な論考」
三中 信宏(進化生物学者・生物統計学者)
「情報を描く、知が見える
可視化の世界観がいま明らかに」
真鍋 真(古生物学者・恐竜学者・国立科学博物館 標本資料センター長)
「19世紀の一枚の絵図から始まった
情報デザインのルーツとその進化」
このような方におすすめ
〇グラフィックデザイナー
〇デザインやアートを学ぶ学生
〇インフォグラフィックスやデータビジュアライゼーションの興味のある方
目次
主要目次
まえがき
第1部 「自然画」と生態学的視線の芽生え
1章 世界を一枚の紙の上に アレクサンダー・フォン・フンボルトの探検測量
2章 「コスモス」の視覚化 ハインリヒ・ベルグハウスの『自然アトラス』とフンボルティアン・グラフィズムの展開
第2部 近代社会のタブロー
3章 「社会」を描く 国民国家の確立と初期の統計グラフィック
4章 再組織化される国土 シャルル・ジョセフ・ミナールの流動地図
5章 政策としての統計図表 エミール・シェッソンの『図的統計アルバム』
第3部 地球の再組織に向けて
6章 地球の「描き方」 エリゼ・ルクリュの地図批判
7章 視覚言語による社会革命 オットー・ノイラートの『社会と経済』アトラス
8章 「世界」を収集し、分類し、体系化する ポール・オトレの20世紀型《百科全書》
あとがき
図版クレジット
人物録
参考文献
索引
謝辞