内容紹介
さまざまな視点から水の科学を解説した教科書が、近年の気象・環境問題や防災科学もカバーし改訂
水は私たちの身近にあり、生活環境に多くの影響を及ぼす存在でありながら、意外とその正体は知られていません。また、最近では未曾有の水不足の危機が叫ばれるなど、環境問題の面からも水に対する関心は一般的なレベルで高まっています。
本書では、そもそも水とは何なのか、水と生体の関係、水の循環が地球環境に及ぼす影響、水危機といったトピックを取り上げ、前提知識がなくとも読み進められるよう、わかりやすく解説しています。今回の改訂では、「異常気象」、「防災・減災」、「SDGs」といった近年とくに注目されているテーマに踏み込むほか、全面的に見直しを行い、現代的な内容にアップデートしました。
大学学部における水に関する教養科目用の教科書としてもご利用いただけます。
このような方におすすめ
大学学部1年生(文系・理系とも)
目次
主要目次
序章 水の自然誌への誘い
1章 生命の星、地球
2章 水という物質の科学
3章 地球の水の姿
4章 気象と水・水の脅威
5章 水がつくる世界とその科学
6章 水と文明
7章 生体と水の科学
8章 水と暮らし
9章 資源としての水
詳細目次
序章 水の自然誌への誘い
1 水の自然誌
2 水の研究史
3 人類と水の関わり
1章 生命の星、地球
1・1 液体の水が存在する惑星条件
1・2 地球の水の歴史
1・3 生命誕生と水
(1) 水、エネルギーと有機物
(2) 生命誕生の場所
(3) 液体の水
(4) 海の存在
1・4 生命誕生の起源諸説
(1) 生命の定義
(2) 起源物質
(3) 地球起源説
(4) 宇宙起源説
(5) 生命の起源
(6) 生命への飛躍
1・5 地球外生命の探査
●章末問題
2章 水という物質の科学
2・1 構造と特異な性質
(1) 水の構造
(2) 構造から生まれる特性
2・2 特異性がもたらすこと
(1) 自然における役割
(2) 生物における役割
(3) 暮らしにおける効用
●章末問題
3章 地球の水の姿
3・1 水の分布
3・2 地球の水の動態、循環する水
3・3 海
(1) 構造と組成
(2) 水温
(3) 動態
3・4 河川
3・5 湖
3・6 地下水
3・7 氷河・凍土
●章末問題
4章 気象と水・水の脅威
4・1 降水
(1) 大気中の水蒸気
(2) 降水のメカニズム
(3) 降水の分類と特徴
4・2 水の脅威と災害
(1) 台風
(2) 集中豪雨
(3) 雷
(4) 土砂災害
(5) 津波、高潮、洪水
4・3 防災
(1) 気象観測
(2) 治水・災害対策(防災、減災)
(3) 防災情報とその利用
●章末問題
5章 水がつくる世界とその科学
5・1 水・氷の造形とその要因
(1) 水が生み出す自然美
(2) 雪片、氷
5・2 水が生み出す音
(1) 水の音
(2) 音を識別するスペクトル
(3) 水を使って音を奏でる
5・3 水の流れがつくる世界
(1) 自然の水の流れ
(2) 水の流れの自然美
(3) 間欠泉
●章末問題
6章 水と文明
6・1 文明の興亡と水
(1) 文明の誕生
(2) 古代文明
(3) 文明の衰退
(4) 治水・利水
(5) ポンプの発明
(6) 水道の発達
(7) 下水道の発達
6・2 現代の水利用と保全
(1) 節水
(2) 下水利用の高度化
(3) 水環境保全
●章末問題
7章 生体と水の科学
7・1 生体の水
(1) 水のはたらき
(2) 体の水
(3) 水の状態
7・2 癒す水
(1) 水による癒し
(2) 入浴・温泉の科学
7・3 美味しい水、体にいい水
(1) 水の特徴を表す指標
(2) 美味しい水の条件
●章末問題
8章 水と暮らし
8・1 浄水・下水処理
(1) 浄水と下水処理のしくみ
(2) 水質汚染の判定指標
8・2 暮らしと水
8・3 エネルギーと水
8・4 産業と水
(1) 多量の水を使用する産業
(2) 海水淡水化
(3) 水族館における水管理
(4) 養殖、栽培
(5) 消防
●章末問題
9章 資源としての水
9・1 水資源の実態と評価
9・2 世界の水事情・水資源の分布
9・3 日本の水事情
(1) 水資源
(2) 水使用状況
(3) バーチャルウォーター
9・4 水の世紀、未来
(1) 水問題が引き起こす摩擦
(2) 国際社会の動き
●章末問題
参考資料
索引
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