内容紹介
これからのエンジニア、研究者にとって必須となる離散数学の知見をわかりやすくまとめたテキスト。
本書は、長年にわたって研究の第一線にある著者が、これからのエンジニア、研究者にとって必須となる離散数学の知見をわかりやすくまとめたテキストです。
現在、AI、ICTの活用は全分野で必須となっていますが、AIやICTが実際どのようなものであり、何が実現できるかを正しく理解することが活用の第一歩となり、それには基礎となる数学(離散数学)の知識が不可欠です。
本書は離散数学の中でも、現在、特に重要となっている論理関数(ブール関数)、ニューラルネットワーク(ディープラーニング)、グラフ理論とネットワーク最適化、組合せ論等について、大学学部生が理解できるよう懇切に、かつ、詳しく解説を行っています。
このような方におすすめ
大学の情報工学科の1、2年生(離散数学に関する授業)
目次
主要目次
第1章 基礎概念
第2章 論理関数とその応用
第3章 しきい関数とディープラーニング
第4章 グラフ理論
第5章 ネットワーク最適化
第6章 組合せ論の基礎
練習問題:ヒントと略解
詳細目次
第1章 基礎概念
1.1 集合
1.2 写像(関数)
1.3 関係
1.4 グラフ
1.5 命題と述語
1.6 数学的帰納法
1.7 アルゴリズムとその複雑さ
1.8 文献と関連する話題
練習問題
ひとやすみ:放浪の数学者エルデシュ
第2章 論理関数とその応用
2.1 論理関数の表現
2.2 論理回路への応用
2.3 論理式と簡単化
2.3.1 論理和形の簡単化
2.3.2 最小主項論理和形の計算
ひとやすみ:ブール関数の誕生と歴史
2.4 論理関数の双対理論
2.4.1 双対関数
2.4.2 論理積形
2.5 充足可能性問題(SAT)
2.5.1 SATのアルゴリズム:展開法
2.5.2 SATのアルゴリズム:DavisとPutnamの方法
2.5.3 SATのアルゴリズム:ランダム探索法
2.5.4 2SATを解く多項式時間アルゴリズム
2.6 文献と関連する話題
練習問題
ひとやすみ:論理関数の拡張
第3章 しきい関数とディープラーニング
3.1 しきい関数とニューロン素子
3.1.1 しきい関数
3.1.2 しきい関数の必要十分条件
3.1.3 ニューロンとパーセプトロン
3.2 ニューラルネットワーク(NN)の仕組み
3.3 誤差逆伝播法による誤差の最小化
3.3.1 順方向NN と誤差の評価
3.3.2 最急降下法
3.3.3 誤差逆伝播法
3.4 NNによる教師あり学習
3.5 畳み込みNN,その他
3.6 ディープラーニング展望
3.7 文献と関連する話題
練習問題
ひとやすみ:人工知能小史
第4章 グラフ理論
4.1 グラフの連結性
4.1.1 無向グラフの連結性
4.1.2 無向グラフの木とカットセット
4.1.3 無向グラフの高次連結性
4.1.4 有向グラフの連結性
4.2 グラフの探索とその応用
4.2.1 深さ優先探索
4.2.2 オイラーの一筆書き定理
4.2.3 幅優先探索
4.3 平面的グラフ
4.3.1 平面グラフとオイラーの公式
4.3.2 クラトウスキーの定理
4.3.3 双対グラフ
4.4 グラフの彩色
4.4.1 彩色数の計算
4.4.2 4色定理とその周辺
4.5 文献と関連する話題
練習問題
ひとやすみ:ケーニヒスベルクの橋: グラフ理論の始まり
第5章 ネットワーク最適化
5.1 代表的なネットワーク最適化問題
5.1.1 最小木問題
5.1.2 最短路問題
5.1.3 巡回セールスマン問題
5.2 ネットワークフロー問題
5.2.1 最大フロー問題
5.2.2 最大フロー最小カットの定理
5.2.3 グラフの連結性とメンガーの定理
5.2.4 最小コストフロー問題
5.3 マッチング問題
5.3.1 最大マッチングのアルゴリズム
5.3.2 マッチングの数学的性質
5.3.3 一般グラフの最大マッチング
5.4 重みつき無向グラフの最小カット
5.5 文献と関連する話題
練習問題
ひとやすみ:結婚問題あれこれ
第6章 組合せ論の基礎
6.1 順列と組合せ
6.2 2項定理と多項定理
6.3 包除原理とその応用
6.4 母関数
6.4.1 母関数の解釈
6.4.2 指数型母関数
6.5 差分方程式
6.6 文献と関連する話題
練習問題
ひとやすみ:フィボナッチ数
練習問題:ヒントと略解
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