内容紹介
意匠(建築家)と構造(構造家)のせめぎ合いにこそ、建築の面白さが詰まっている!
構造は、建築を成立されるために欠かせない重要な要素です。いくら創造的なデザインであっても、重力や地震に抗えなければ建築は建ちません。そんな創造と現実の間に立ち、架け橋となるのが「構造プロセス」です。
本書では、建築家との協働の多い構造家・大野博史(オーノJAPAN)が、これまで手掛けた建築を通して、「設計の過程に建築家とどんなやり取りがあり、構造の可能性をどのように探求していったか」に焦点を当て、計画段階から実現案へと定着させていくまでの「プロセス」を詳細に解き明かしています。
スケッチや写真はもちろん、架構詳細図やディテールなども多数収録。構造設計者だけでなく、意匠や設備等設計者や構造の興味のある若い人たちに手に取ってほしい本です。
このような方におすすめ
〇構造設計者をめざす若い方
〇構造に興味のある方
〇設計者
目次
主要目次
1 部材配置
2 開口
3 斜材
4 形
5 異素材
6 非建築
詳細目次
1 部材配置
大きい軒先を薄い屋根で実現する / Fuji赤とんぼ保育園(手塚貴晴・手塚由比)
曲面壁に柱を並べて耐力壁化する / 茅ヶ崎シオン・キリスト教会/聖鳩幼稚園(手塚貴晴・手塚由比)
円形プランの柱梁配置 / むく保育園(手塚貴晴・手塚由比)
2 開口
空間に合った構造形式を探す / Steel House(能作文徳)
外部環境を取り込む薄い屋根をつくる / 経堂の住宅(長谷川豪)
半透明のヴォールト屋根をつくる / 海のレストラン(二俣公一)
3 斜材
外壁を利用してスパンを飛ばす / 川崎の住宅(長谷川豪)
斜め格子を利用した見せる構造体 / 富岡商工会議所会館(手塚貴晴・由比)
登り垂木を利用した変形トラス / 春日大社バス停留所(弥田俊男、城田設計)
4 形
天井を利用してスパンを飛ばす / 大栄鉄工所オフィス棟(塚田修大)
ジョウロ形状シェルのRC造 / EARTH-ing HOUSE(塚田修大)
狭隘敷地に最適な構造とは / 函館市電函館駅前停留所(西村浩)
5 異素材
細い柱でピロティをつくる /森のピロティ(長谷川豪)
木・鉄・RCを組み合わせてつくる屋根 / 春日大社境内トイレ(弥田俊男、城田設計)
アルミ製の屋根を浮かせる / 坂下手洗所(渡辺明、渡辺仁)
6 非建築
ぼよよんと揺れる振動をデザインする / ぼよよん土管(青木淳)
しなり揺れる間仕切り棒の設計 / がらんとした部屋(中村竜治)
プロポーションを意識して設計する / CH/air(大野博史)
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