内容紹介
人工知能のための創発・進化のシミュレーションが体験できる!!
本書は、進化計算をもとにした複雑系シミュレーションの理論とその応用を解説します。本書を通して、複雑系と創発の基礎的な考え方を学ぶとともに、その考えを読者自らが人工知能に応用できるようになることを最終的な目的としています。
また、本書では主に複雑系のシミュレーション構築ツールであるSwarmを使ったシミュレーションを示していますが、それ以外のシミュレータに基づくデモも提供しております。読者自ら創発現象のシミュレーションを体験できるような構成としています。
このような方におすすめ
○人工知能の研究を始めようとしている大学生・大学院生の参考書として
○人工知能によるシミュレーションに興味がある方
目次
主要目次
第1章 学習と進化のための創発計算
第2章 創発する複雑系
第3章 待ち渋滞と認知の錯誤
第4章 協調と裏切りの創発
第5章 効用と多目的最適化
第6章 プロスペクト理論と文化の進化
詳細目次
第1章 学習と進化のための創発計算
1.1 進化を見てみよう
1.2 強化学習でロボットを訓練する
1.3 学習と進化の不思議な関係
第2章 創発する複雑系
2.1 創発とは
2.2 セルラ・オートマトンとカオスの縁
2.3 シェリングと社会科学:正義とはなんだろうか?
2.4 チューリングのモデルと形態形成:魚のパターンはなぜ変わる
2.5 マレイの理論:なぜ斑点模様のヘビが存在しないのか?
第3章 待ち渋滞と認知の錯誤
3.1 待ちの発生
3.2 ポアソン分布と偏りの認知錯誤
3.3 待ちの制御:行列のできるラーメン屋のスケジューリング
3.4 渋滞のモデルとセルオートマトン
3.5 シリコン交通と渋滞制御
3.6 ディズニーランドと高速道路における待ち制御の功罪
3.7 統計はときには嘘をつく
第4章 協調と裏切りの創発
4.1 裏切りと協調のゲーム
4.2 繰り返しは協調を創発する
4.3 創発する万華鏡とビッグバン
4.4 量子ゲームでジレンマは解消できるか?
4.5 最後通牒のゲーム:人間は利己的か、協調的か?
4.6 進化心理学と心の理論
第5章 効用と多目的最適化
5.1 ベルヌーイとサンクト・ペテルブルクのパラドクス
5.2 限界効用逓減の法則:快楽や幸福をもたらす行為は善か?
5.3 賭けにどう対処するか?
5.4 なぜ人間は賭けを好み、保険に入るのか?
5.5 推移律の謎:多数決は民主的か?
5.6 多目的に見られる創発:パレート最適化への道
5.7 無差別曲線への批判
第6章 プロスペクト理論と文化の進化
6.1 ベルヌーイの間違い
6.2 授かり効果:なぜ返金保証は採算が合うのか?
6.3 損失回避とフレーミング効果
6.4 人間の認知を説明する効用の価値関数
6.5 新しい効用の定義
6.6 サルでもわかる経済学
6.7 サルに文化はあるのか?
6.8 ミラーニューロンの発見
6.9 文化も進化する
6.10 脳はどう創られるか:機械に囲まれたダーウィン
参考文献
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