内容紹介
毎日乗っている電車のしくみと裏側がよくわかる
近年、日本の車両製造技術は、海外からのオファーが絶えないほど高く、世界中から熱い視線を向けられています。
本書は、鉄道車両(とくに電気車)の種類や構造、実際に駆動するしくみや、設計・製造、保安や運転などの現場の実情と鉄道事業者の業務の実情を取り上げ、まとめたもの。車両だけでなく、駅舎とのやりとりや信号・保安システムの関係についてもふれています。実際に使われている数々の車両の図や写真を豊富に掲載して、鉄道ファンの方にもオススメの内容となっています。
このような方におすすめ
○鉄道事業者の車両部や車両メーカの技術者の方
○鉄道に興味のある一般の方
目次
主要目次
1章 台車
2章 車体
3章 集電装置
4章 ブレーキ装置
5章 主回路・補助電源
6章 保安装置
7章 車両情報伝送システム
8章 車両の運転理論
詳細目次
1章 台車
1.1 台車の特徴と基本的な機能
1.1.1 輪軸の運動
1.1.2 車体振動の防止
1.1.3 曲線での旋回
1.1.4 前後力の伝達
1.2 台車の具体的な構造
1.2.1 輪軸
1.2.2 台車枠
1.2.3 軸箱支持装置
1.2.4 車体支持装置
1.2.5 その他の構成要素
1.3 車輪・レール間のクリープ力
1.4 走行安定性
1.5 走行安全性
1.5.1 脱線
1.5.2 転覆
2章 車体
2.1 車体の構造
2.1.1 車体の構成
2.1.2 車体構造の変遷と使用材料による特徴
2.1.3 軽量化
2.1.4 先頭部の形状
2.2 車体が満たすべき要件
2.2.1 車両限界
2.2.2 強度と剛性
2.2.3 火災対策
2.2.4 衝突安全性
2.3 車体の振動・騒音と乗り心地
2.3.1 車体の振動
2.3.2 乗り心地評価
2.3.3 車体上下弾性振動
2.3.4 車内騒音
3章 集電装置
3.1 電車線路と集電装置
3.2 集電装置の構造
3.2.1 トロリーポール
3.2.2 ビューゲル
3.2.3 パンタグラフ
3.2.4 集電靴
3.3 集電装置の性能
3.3.1 電流容量
3.3.2 集電性能
3.4 高速鉄道の集電装置
4章 ブレーキ装置
4.1 概要
4.2 法令上の基準
4.2.1 鉄道のブレーキに設けるべきブレーキ
4.2.2 貫通ブレーキ
4.3 ブレーキの力学および設計
4.3.1 ブレーキ力と粘着力
4.3.2 ブレーキの設計
4.4 空気ブレーキの方式
4.4.1 純直通空気ブレーキ
4.4.2 電磁直通空気ブレーキ
4.4.3 純自動空気ブレーキ
4.4.4 電磁自動空気ブレーキ
4.4.5 電気指令式空気ブレーキ
4.5 ブレーキシステム
4.5.1 常用ブレーキ
4.5.2 非常ブレーキ
4.5.3 保安ブレーキ
4.5.4 耐雪ブレーキ
4.5.5 抑速ブレーキ
4.5.6 留置ブレーキ
4.5.7 その他の制御
4.6 ブレーキ部品の作用および構造
4.6.1 ブレーキ制御装置
4.6.2 保安ブレーキ装置
4.6.3 基礎ブレーキ装置
4.6.4 滑走防止弁装置
4.6.5 空気源装置
4.7 今後のブレーキシステム
5章 主回路・補助電源
5.1 直流電気車の主回路システム概要
5.1.1 直流電気車の主回路システム
5.1.2 車両駆動用主回路インバータ
5.1.3 誘導電動機の制御
5.1.4 鉄道車両駆動用主回路の制御
5.2 交流電気車の主回路システム概要
5.2.1 交流電気車の主回路システム
5.2.2 PWMコンバータの主回路と制御
5.2.3 交流電気車の主回路制御
5.3 鉄道車両の性能
5.3.1 車両重量,乗客質量
5.3.2 車両編成(MT比)
5.3.3 起動加速度
5.3.4 走行抵抗均衡速度,加速余力
5.3.5 粘着
5.3.6 歯車比
5.3.7 走行抵抗(列車抵抗),出発抵抗
5.4 車両駆動用電動機
5.4.1 直流電動機
5.4.2 誘導電動機
5.4.3 永久磁石同期電動機
5.5 その他の主回路システム
5.5.1 エンジン-蓄電媒体ハイブリット車両
5.5.2 架線-蓄電媒体ハイブリット車両
5.6 主回路システムの今後の方向
5.6.1 さらなる機器の高効率化,省エネルギー化
5.6.2 蓄電媒体の活用
5.6.3 境界問題(レールと車輪,パンタグラフと架線)の解決
5.7 補助電源装置
5.8 補助電源回路の方式とその特徴
5.8.1 独立運転方式
5.8.2 待機二重方式
5.8.3 並列同期運転方式
5.9 補助電源装置の今後の方向
5.9.1 さらなる機器の高効率化,省エネルギー化
5.9.2 編成での補助電源システムの信頼性向上
6章 保安装置
6.1 概要
6.1.1 はじめに
6.1.2 ATS/ATC
6.1.3 ATO
6.1.4 列車無線
6.1.5 デッドマン装置/EB装置
6.2 ATS,ATCシステムの歴史
6.2.1 ATS
6.2.2 ATC
6.3 ATS,ATC車上装置で使われている技術
6.3.1 フェールセーフ技術
6.3.2 信号送受信の技術
6.3.3 速度検出の技術
6.4 主要な保安システム
6.4.1 ATS-S改良形(ATS-SN,ST,SW,SS,SK,SF)
6.4.2 ATS-P
6.4.3 新CS-ATC
6.4.4 D-ATC
6.5 今後の方向
7章 車両情報伝送システム
7.1 車両情報伝送システムの仕組み
7.2 乗務員支援
7.3 車両メンテナンス
7.4 制御指令などの伝送化
7.5 伝送路
7.6 機器とのインタフェース
7.7 車両情報伝送システムの機器
7.8 車両併結
7.9 高機能化、集約化
7.10 車両情報伝送システムと国際規格
7.11 車両情報伝送システムの変遷
7.12 旅客案内システム
7.13 今後の方向
8章 車両の運転理論
8.1 列車運転時の基礎力学
8.1.1 列車の力学的特性と運動方程式
8.1.2 列車電力特性
8.1.3 き電回路特性
8.1.4 数値計算法
8.2 運行計画と運行管理
8.2.1 運転曲線の作成と基準運転時分の査定
8.2.2 信号システムと時隔の査定
8.2.3 列車ダイヤの作成
8.2.4 運行管理
8.3 運転方法
8.4 自動運転および運転支援
8.4.1 自動運転の目的
8.4.2 ATO,TASCとその高度化
8.4.3 運転支援システム
8.5 最適な運転を目指した理論的研究開発
8.5.1 最適な運転の評価方法
8.5.2 最適制御問題としての定式化
8.5.3 理論的な最適化法とその計算例
8.5.4 最適な運転の今後
索引
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