内容紹介
半導体製造の効率と精度を向上して国際競争を勝ち抜くヒントがつまった本
半導体製品の研究開発においては、基本的に設計・試作→シミュレーション・評価→プロセスの見直し→(設計・)試作→・・・といった繰返しが含まれます。コストダウンや迅速な製品化を実現して今後の国際競争を勝ち残っていくためにも半導体産業においてはプロセスの効率化やシミュレーション技術はますます重要性を増していくものと考えられます。本書は、実際の研究開発における精度向上に役立つよう、プロセスやシミュレーション技術の実際を解説したものです。
このような方におすすめ
○半導体関連の企業や研究機関で半導体プロセスにかかわる技術者・研究者
○半導体デバイスの設計・試作にかかわる技術者・研究者
目次
主要目次
第1部 半導体産業とプロセスの概要
1章 半導体産業をシミュレーションと新しいデバイスで復活
2章 半導体プロセス
第2部 半導体プロセスのマルチスケールシミュレーション
3章 半導体開発とシミュレーション
4章 シミュレーションの導入
5章 ガス解離のシミュレーション
6章 エッチングのマルチスケールモデリング
第3部 半導体プロセス・形状シミュレーションの応用展開
7章 装置性能を高めるシミュレーション(1)-装置の均一性-
8章 装置性能を高めるシミュレーション(2)-パーティクル低減-
9章 配線コンタクトのモジュールシミュレーション
10章 シミュレーションによるプロセス設計
詳細目次
第1部 半導体産業とプロセスの概要
1章 半導体産業をシミュレーションと新しいデバイスで復活
1.1 日本の半導体産業の分岐点は1987年
1.2 学会でも発表件数が減少(Si,集積回路のプロセス)
1.3 半導体産業を再生する新しいデバイスが続々
1.3.1 有機デバイス
1.3.2 化合物半導体
1.4 デバイスのプロセスを仮想設計するシミュレーション
参考文献
演習問題
Coffee Break 他社との共同開発
2章 半導体プロセス
2.1 半導体素子を二分する上部配線とクロス配線
2.2 同じパターンの繰返しでつくられる半導体素子
2.3 リソグラフィ
2.4 エッチング
2.5 成膜
2.5.1 スパッタ
2.5.2 CVD
2.6 CMP
2.7 洗浄
2.8 プロセスインテグレーション
参考文献
演習問題
第2部 半導体プロセスのマルチスケールシミュレーション
3章 半導体開発とシミュレーション
3.1 プロセスシミュレーションの必要性
3.2 プロセスシミュレーションが困難な理由
3.3 半導体プロセスシミュレーションのこれまでの開発
3.3.1 装置シミュレーション(気相反応)
3.3.2 表面反応シミュレーション
3.3.3 形状表現モデル
3.4 市販のシミュレーション
3.5 プロセス予測を可能にするマルチスケールシミュレーション
参考文献
演習問題
Coffee Break 会社が撤退を決めたとき
4章 シミュレーションの導入
4.1 マルチスケールシミュレーションの全体構成
4.2 熱流体シミュレーション
4.3 プラズマシミュレーション
4.4 モンテカルロ法
4.4.1 モンテカルロ法の概要
4.4.2 モンテカルロ法によるスパッタ粒子の挙動計算
4.5 アブダクション法
参考文献
演習問題
5章 ガス解離のシミュレーション
5.1 プラズマプロセスのガス解離
5.1.1 非平衡低温プラズマと半導体プロセス
5.1.2 非平衡低温プラズマのガス解離シミュレーション
5.2 ボルツマン方程式による分布関数の解析
5.2.1 ボルツマン方程式
5.2.2 ルジャンドル級数展開によるボルツマン方程式の近似
5.2.3 分布関数より導かれる諸特性
5.2.4 定常タウンゼント法
5.2.5 ボルツマン方程式の数値解法
5.3 ボルツマン方程式の実ガスへの適用
5.3.1 Arガス
5.3.2 CF4ガス
5.3.3 C4F8ガス
5.3.4 ボルツマン方程式解析の誤差
5.4 レート方程式とガス解離解析
5.4.1 レート方程式
5.4.2 ルンゲ・クッタ法による数値解析
5.5 モンテカルロ法とレート方程式によるCF4ガス解離解析
5.5.1 気相反応のモデリング
5.5.2 実験装置
5.5.3 実験結果
5.5.4 モンテカルロ法によるモデリング
5.5.5 モンテカルロ法と実験結果との比較
5.5.6 モンテカルロ法とレート方程式による解析結果の比較
5.6 ガス解離のシミュレーション
参考文献
演習問題
Coffee Break 心に残る大学の先生 東北大学 南部建一先生
6章 エッチングのマルチスケールモデリング
6.1 微細化とともに要求が厳しくなるエッチング
6.1.1 エッチングプロセスと加工形状
6.1.2 新しいプロセスガスの導入とシミュレーション
6.2 実験装置
6.3 マルチスケールモデルの構築
6.4 気相反応モデルおよび実験結果との比較
6.4.1 気相反応モデル
6.4.2 実験結果との比較
6.5 輸送(シース)モデル
6.6 表面反応モデル
6.7 シミュレーション結果と実験結果との比較
6.7.1 ガス比依存性
6.7.2 エッチング深さと形状
6.7.3 表面反応モデルの誤差
6.8 C5F8非平衡プラズマのマルチスケールモデリング
参考文献
演習問題
第3部 半導体プロセス・形状シミュレーションの応用展開
7章 装置性能を高めるシミュレーション(1)-装置の均一性-
7.1 半導体プロセスと装置の均一性
7.2 これまでのLPCVD解析モデル
7.3 LPCVD装置
7.4 シミュレーションモデル
7.4.1 輸送モデル
7.4.2 化学反応モデル
7.5 計算結果
7.5.1 輸送モデルの計算結果
7.5.2 化学反応モデルの計算結果
7.5.3 LPCVDプロセスの均一性
7.6 Si LPCVD反応炉のCFD解析
参考文献
演習問題
Coffee Break 心に残る大学の先生 東北大学 宮本明先生
第8章 装置性能を高めるシミュレーション(2)-パーティクル低減-
8.1 半導体製造を悩ますパーティクル
8.1.1 半導体の歩留りとパーティクル
8.1.2 パーティクルの低減方法
8.2 実験方法およびパーティクル分析
8.2.1 実験方法
8.2.2 パーティクルの分析結果
8.3 シミュレーションモデル
8.3.1 ガス流れ
8.3.2 プラズマシミュレーション
8.3.3 パーティクルの帯電量
8.3.4 パーティクルの運動方程式
8.4 シミュレーションを使ったパーティクル低減対策
8.4.1 パーティクル1個の挙動
8.4.2 対策と効果確認
8.5 パーティクル挙動のシミュレーション
参考文献
演習問題
9章 配線コンタクトのモジュールシミュレーション
9.1 モジュールプロセスの条件出し
9.2 モジュールプロセスのシミュレーション
9.3 コンタクト形成の実験
9.4 シミュレーションモデル
9.4.1 スパッタのマルチスケールモデル
9.4.2 CVDのマルチスケールシミュレーション
9.5 シミュレーションと実験結果との比較
9.6 コンタクト形成の深さ依存
9.6.1 ボトム径の比較
9.6.2 CVD埋め込みおよびコンタクト形成の深さ依存
9.7 コンタクト形成プロセスのシミュレーション
参考文献
演習問題
10章 シミュレーションによるプロセス設計
10.1 ロジック素子の加工パターン
10.1.1 マスクパターンと断面形状
10.1.2 加工パターンと設計シミュレーション
10.2 シミュレーションモデルの簡易化
10.3 素子設計への適用
10.3.1 危険工程・危険パターンの抽出
10.3.2 プロセス適正化
10.3.3 統計的手法と組み合わせたばらつき管理
10.3.4 プロセスインテグレーションの適正化
10.4 多工程からなるモジュールプロセスのシミュレーション
参考文献
演習問題
Coffee Break 使えるシミュレーションは? Li博士との議論
索 引
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