内容紹介
クーロン力とローレンツ力で解き明かすホンネの電磁気学!
電磁気学は非常に難しいという話をよく耳にする。このため、電磁気学の書籍は教科書以外にもイラストを用いてイメージ的にわかりやすくした書籍等々も出版されている。しかし、それらはいずれも本質的には、マックスウェルの方程式を前提とするため、数式の変形を扱うものが多かったり、また、クーロンの法則、アンペアの法則、ファラデーの法則などが独立した実験事実として出てくるため、論理的にわかりにくく、余計に電磁気学を難しくしている。
こうした背景から本書は、数式を駆使する従来型の書籍と立場を異にし、高校の物理で学習するクーロン力とローレンツ力、そして大学で学ぶスカラー積、ベクトル積程度を用いることのみで、電気と磁気の物理現象を解き明かすことを念頭に企画するもの。
このような方におすすめ
○電磁気学を学ぶ電気系学科の学生
○電磁気現象を利用した製品開発(アンテナ等)に携わる技術者
など
目次
主要目次
1章 プロローグ -私の疑問から
2章 電荷と電解
3章 電荷と磁荷の相互作用
4章 アンペアの法則とファラデーの法則の導出
5章 導体に流れる電流と電磁界
6章 電界を作る電荷と磁界を作る電荷
7章 電磁波
8章 電磁界の求め方
9章 エピローグ -まとめとして
詳細目次
1章 プロローグ -私の疑問から
1-1 コンデンサ
1-2 平行板線路
1-3 質量ゼロから始まる
1-4 電磁気学の直感的理解に必要な数学
2章 電荷と電解
2-1 電気と磁気に関する現象の根源:電荷
2-2 これから出てくる量と単位
2-3 万有引力と重力の加速度
2-4 クーロン力と電界
2-5 力線,電束線,電気力線
2-6 磁石に対するクーロンの法則
2-7 現れた順に学習する
3章 電荷と磁荷の相互作用
3-1 基本の力:クーロン力とローレンツ力
3-2 磁石が作る磁束密度
3-3 ローレンツ力の磁束密度Bが磁石を作るとき
3-4 電束線が移動すると磁界ができる
3-5 線電荷が作る電束密度と磁界
3-6 ビオ-サバールの法則
3-7 重ね合わせの原理から
3-8 磁束線が移動すると電界ができる
3-9 基本式H=v×DとE=B×vについて
3-10 電波インピーダンスと特性インピーダンス
4章 アンペアの法則とファラデーの法則の導出
4-1 ガウスの定理
4-2 電流が作る磁界とアンペアの法則
4-3 通常のアンペアの法則
4-4 ビオ-サバールの法則とアンペアの法則
4-5 ダイポールとアンペアの法則
4-6 ファラデーの法則の導出
4-7 磁石とファラデーの法則
5章 導体に流れる電流と電磁界
5-1 電池の発明
5-2 オームの法則
5-3 代表的な導体:銅
5-4 導体の性質
5-5 電界ゼロのときのアンペアの法則
5-6 磁石が作る磁位と磁界
5-7 磁位の山の最も急な勾配が磁界
5-8 直線の導体線を流れる電流が作る磁位
5-9 磁位の山を降りる高さ
5-10 磁石と電流ループ
5-11 電流ループが作る磁位
5-12 電流ループとアンペアの法則
5-13 導体線を流れる電流が作る磁界と基本式
6章 電界を作る電荷と磁界を作る電荷
6-1 平行板コンデンサ
6-2 平行板線路:電荷が光速で動けると
6-3 平行板線路の具体例
6-4 電荷は導体中をどのように移動するか
6-5 パイプの中の水を伝わるパルス波
6-6 電気力線は光速で電荷は秒速0.3mのとき
6-7 磁界に電界の10^9倍の電荷が必要
6-8 なぜ電荷が移動して磁界だけができるか
6-9 伝送線路の電磁界はどのように決まるか
7章 電磁波
7-1 電波は交流
7-2 交流電源
7-3 平行板線路を交流電源で給電すると
7-4 交流理論という計算法
7-5 伝送線路の静電容量とインダクタンス
7-6 伝送線路を伝わる電波の波
7-7 進行波と反射波
7-8 平行板線路が作る平面波
7-9 交流でのアンペアの法則とファラデーの法則
8章 電磁界の求め方
8-1 経路は直交座標上の微小面積
8-2 平面波と導波管内の電磁界
8-3 導体内部でのアンペアの法則
8-4 導体表面の電磁波
8-5 円柱座標で表したアンペアの法則
8-6 同軸線路が作る電磁界
8-7 極座標で表したアンペアに法則
8-8 難しい球面波
8-9 マクスウェルの方程式
9章 エピローグ -まとめとして
9-1 電磁気学は難しい
9-2 ローレンツ力の導出
9-3 電磁気学の講義 -私の経験から
9-4 高校数学の範囲内で
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