内容紹介
身近な材料を例題に取り上げて解説した理解しやすい良書
自然言語理解は、認知科学や人工知能の主要なテーマのひとつとして、さまざまな角度から研究されている。
本書は、言語表現と空間認知の間の関係について分析するという独特の角度から、自然言語理解にアプローチするユニークな専門書である。認知科学と人工知能の二つの領域をにらみつつ、その学際的領域で、理論的な記述的枠組みから、計算機モデルへの足掛かり、事例研究までを、身近な材料を例題にとりあげて説明することで、理解しやすい良書となっている。
このような方におすすめ
AI系,情報工学系の学部学生,大学院生,研究技術者
目次
主要目次
序論
第1部 記述的枠組み
1章 場所表現の意味と使い方
2章 標準状況型
3章 目的
4章 理想的意味
5章 幾何的記述
6章 語用論上の注意
7章 使用型
第Ⅱ部 計算機モデルへの足掛かり
8章 記述化とその逆のプロセス
第Ⅲ部 事例研究
9章 三つの基本的な位相的前置詞
10章 投影的前置詞
結論
詳細目次
序論
1 空間認知と言語
2 言語学的話題
3 言語の計算機モデル
第I部 記述的枠組み
第1章 場所表現の意味と使い方
1-1 場所表現の意味と使い方
1-2 計算機への比喩と哲学的基礎
1-3 記号化とその逆のプロセス
1-4 単純幾何的表現
1-5 包括的な記述的枠組み
第2章 標準状況型
2-1 標準性の定義
2-2 標準性の定義
2-2 標準状況型と意味論
2-3 標準状況型と構造
2-4 物理的世界の基本的記述
第3章 目的
3-1 プロトタイプ的目的
3-2 非プロトタイプ的目的
3-3 目的の綿密化
3-4 場所の概念
3-5 図と地の関係
第4章 理想的意味
4-1 例:前置詞「in」
4-2 他の前置詞
4-3 基本的空間概念と理想的意味
第5章 幾何的記述
5-1 場所
5-2 その他の基本的な幾何的記述関数
5-2-1 空間領域をその部分に写像する関数
5-2-2 領域をその理想化したものへと写像する関数
5-2-3 領域を連想される「良い形態」に写像する関数
5-2-4 領域を隣接体へと写像する関数
5-2-5 領域を軸へと写像する関数
5-2-6 領域を投影されたものへ写像する関数
第6章 語用論上の要因
6-1 顕現性
6-2 関連性
6-3 許容と理想化
6-4 典型性
第7章 使用型
7-1 使用型の区別
7-2 イディオム性
7-3 使用型の表現
7-4 使用型の知識
7-4-1 シーンに関する制約
7-4-2 文脈に関する制約
7-5 語意シフト
6-6 結論
第II部 計算機モデルへの足掛かり
第8章 記号化とその逆のプロセス
8-1 復号と符号化:概観
8-2 シーンの表現
8-2-1 視覚的シーン
8-2-2 心的イメージ
8-2-3 行動と推論のための空間表象
8-2-4 大規模環境
8-3 場所に関する知識と言語
8-4 復号
8-4-1 言語表現の標準的解釈の生成
8-4-2 文脈に特定的な解釈の獲得
8-4-3 場所表現の「特殊な状況」での解釈
8-5 記号化
8-5-1 適合する使用型の発見
8-5-2 意志伝達上のブランと前置詞の選択
8-6 対象知識
8-7 結論
第III部 事例研究
第9章 三つの基本的な位相的前置詞
9-1 前置詞「at」
9-2 前置詞「on」
9-3 前置詞「in」
9-4 結論
第10章 投影的前置詞
10-1 参照枠
10-1-1 2つのプロタイプ状況
10-1-2 プロトタイプ状況から導出される前置詞の用法
10-1-3 基軸の推定
10-1-4 基軸の起点
10-1-5 水平基軸の順序
10-1-6 基軸の方向
10-1-7 対立する参照枠からの選択方法
10-2 投影的前置詞の区別
10-2-1 物体の部分
10-2-2 参照物体との接触
10-2・3 参照物体の内側の位置
10-2-4 参照物体の外側の位置:前置詞の基本部分集合
10-2-5 外側の位置:他の前置詞
10-3 理想的意味
10-4 結論
結論
巻末注
索引
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