内容紹介
解から描かれる形を視覚的に感じながら数学を学ぼう!
本書は無限や微分方程式の解から描かれる形を、視覚的に感じながら数学を学ぶ書籍です。微分方程式は大学初学年でいくつかの解析解パターンを学びますが、なかなか直感的に理解しにくい面があります。また、計算もたいへん複雑で、単なる円運動も運動方程式をきちんと変形して解こうとすると、極座標に変換するうえで煩雑な計算がたくさん出てきます。そのため、解析的な解は重要ではあるけれど、計算が大変という難点があります。そこで、本書では微分方程式の解で描かれたアート作品とからめて数値的、視覚的に見せていき、直感で理解できるように解説していきます。
このような方におすすめ
数学に興味のある高校生や社会人
視覚的なアプローチで数学を理解したい方
目次
主要目次
第1章 数列で無限の世界を描こう
第2章 拡大すると同じ形が現れる無限、フラクタルを描こう
第3章 複素数の世界の無限を描こう
第4章 地球と宇宙の果てから考える幾何学の無限
第5章 微分方程式でカオスを描こう
第6章 最小・最適を好む自然の形
第7章 自然の形が描く対称性
詳細目次
はじめに
第1章 数列で無限の世界を描こう
1.1 無限をどう描く?
1.2 アキレスと亀のパラドックスから無限を学ぶ
1.3 有限の中に無限を描く方法
1.4 無限を扱う方法は?
1.5 自然対数の底(ネイピア数)e
≪参考≫ 指数と対数
第2章 拡大すると同じ形が現れる無限、フラクタルを描こう
2.1 拡大すると同じ形が現われる世界
2.2 私たちの身近に見られるフラクタル
2.3 フラクタルな図形の作り方
2.4 フラクタル次元とは?
第3章 複素数の世界の無限を描こう
3.1 どこまでも同じ形、マンデルブロー集合
3.2 想像上の数? 虚数(Imaginary number)
3.3 掛け算すると回って大きくなる数、複素数
≪参考≫ 極表示とオイラーの公式
3.4 複素数で描く対数螺旋、円、直線
3.5 無限と原点の入れ替え方 ─反転─
3.6 マンデルブロー集合の作り方
3.7 複素数と量子論
第4章 地球と宇宙の果てから考える幾何学の無限
4.1 宇宙の果てを解き明かす3つの幾何学
4.2 曲率0のユークリッド幾何学
COLUMN・ビッグバンと宇宙の果て
4.3 曲率が正の球面幾何学
≪参考≫ 三角形の内角の和が 180°よりも大きくなるわけ
≪参考≫ 三平方の定理が成り立たないわけ
4.4 曲率が負の双曲幾何学
4.5 エッシャー「円の極限IV」と曲率負の宇宙
COLUMN・幾何学と計量(距離)
≪参考≫ 円盤モデルを使ったエッシャー風無限の絵の作り方
第5章 微分方程式でカオスを描こう
5.1 微分方程式を使ったコンピュータ・グラフィックス
5.2 身のまわりの自然や数学に潜む微分を探してみよう
5.3 自然は微分方程式でできている
5.4 微分方程式を解く直感的方法
≪参考≫ 解析的な解き方
5.5 2階微分方程式の解き方
5.6 微分方程式を使ったコンピュータ・グラフィックスの作り方
5.7 境界条件を用いた微分方程式の解法
第6章 最小・最適を好む自然の形
6.1 自然が好む形とは?
6.2 シャボン玉や水玉が球形をしているわけ
6.3 光はどうして屈折するの? ─最小時間の原理─
6.4 自然の世界に六角形の形が見られるわけは?
6.5 植物の枝分かれは効率的な形
6.6 雪の結晶の形はどのようにしてできる?
6.7 自然は最小を好む?
第7章 自然の形が描く対称性
7.1 自然は対称性の形であふれている
7.2 アートや自然の世界で見られる対称性
7.3 数学の世界の対称性
7.4 クォークの発見
7.5 自然科学で対称性が重要なわけ
参考文献
索引
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