内容紹介
現場技術者向きにわかりやすくまとめた土壌・地下水汚染対策の入門書
建設現場における土壌・地下水の汚染問題が拡大しつつあり、その対応が強く望まれている。特に、2001年度中にISO 14015(サイトアセスメント)が発行される予定であり、現在潜在化している土壌汚染問題が明らかにあることが予想される。
汚染の疑いがあるサイト数は、日本全国で約400,000件、調査必要サイトが約200,000件、修復必要サイトが40,000件といわれている。
そこで、汚染土壌への対処法を現場技術者、事業者向けにわかりやすくまとめた実務書が本書である。土壌汚染に関する基礎的な知識から、法律・制度、調査、浄化・対策などを、基礎的な部分から実務面までを総合的に理解できるように構成した。
このような方におすすめ
○建設会社 現場技術作業員
○地質調査会社,環境コンサルタントの業務担当者
○県市区町村の土壌管理の業務担当者
○企業のリスク管理,資産(不動産)管理者など
目次
主要目次
はじめに
第1章 土壌汚染とは
第2章 関連法律と制度を知る
第3章 調査から始める
第4章 浄化と対策を進める
第5章 労働安全衛生への配慮
第6章 周辺環境への配慮
付録
詳細目次
はじめに
第1章 土壌汚染とは
1.建設発生土と汚染土壌の違いは
2.汚染土壌と産業廃棄物の違いは
3.建設副産物の再生資源化
4.捨てるものと安易に捨てるべきではないもの
5.汚染土壌とわかるタイミング
6.汚染土壌が明らかになった場合の注意点
7.土壌汚染の問題は複雑
第2章 関連法律と制度を知る
1.汚染土壌と情報公開
2.ISOって?
3.土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針運用基準とは
4.汚染土壌を拡散してしまったらどんな処罰が
5.汚染土壌を取りまく法律
6.汚染土壌を取りまく地方公共団体の制度
第3章 調査から始める
1.土地の汚染調査は全ての基本
2.工事途中の汚染発見は全てを狂わす
3.目的をもった土壌汚染調査をしよう
4.調査はコスト削減にも有効です
5.周辺への影響は調査を行って初めてわかる
6.対象地の立地条件をもう一度見てみよう
7.工場などの履歴をよく考えてみよう
8.地下埋設物は工事トラブルのもと
9.現場調査・巡回は感覚を研ぎ澄まして
10.仮説・検証型の調査計画が良い対策計画につながる
11.調査の期間と費用は...
12.行政への相談は早めに行いましょう
13.こんなところで情報の検索
14.測量は最初の一歩
15.地下水は変動する
16.汚染土壌調査のためのサンプリングとは
17.こんな調査は汚染調査では使えない
18.汚染原因をよく考えてサンプルをとろう
19.分析用のサンプル取り扱いは適切に
20.5地点混合法と1点採取の違いは?
21.表層が覆われているときには?
22.簡易分析法にはこんなものが
23.調査で汚染を拡げたら意味がない
24.地下の構造は複雑
第4章 浄化と対策を進める
1.対策も計画が成功の鍵
2.目的は浄化であることを再確認
3.施工管理体制の確立が重要
4.重金属等と揮発性有機化合物
5.複合汚染とは①
6.複合汚染とは②
7.応急対策と恒久対策
8.恒久対策はどんなものか
9.油類は環境基準にないけれどどうする?
10.トリータビリティー試験って?
11.現場内対策と現場外対策
12.安易な対策方法の決定は発注者に大迷惑
13.外部搬出するなら、どのような処理業者がいいの
14.外部搬出処理・処分を委託した場合の時間と費用は
15.外部搬出処理・処分委託の際に必要な書類は?
16.現場処理での仮設設備は合理的なものにしよう
17.現場での作業は分別が基本
18.工事完了の確認方法を決めておこう
19.PCB、ダイオキシンはどうする
20.アルカリ系薬剤の使用は注意して
21.性質の違うものの複合汚染には細心の注意を!
22.浄化対策(処理)はモニタリングをしながら!
23.品質管理は工事者の義務
24.土への薬剤混合は簡単でない
25.現場や地下の立地条件を考えて
26.排水は安易に流さない
27.外部委託処理・処分も終了まで自分で責任をもって
28.運搬管理に性状に応じた容器や車両を使おう
29.汚染は思わぬところから拡散する
30.解体工事も注意して
31.せっかくの土もこうなれば廃棄物
32.記録はきちんと残すこと
第5章 労働安全衛生への配慮
1.土壌汚染物質(化学物質)によって 引き起こされる健康被害は?
2.こんな危険もある
3.これを使えば汚染物質から作業員を守れる
4.労働安全衛生に注意した工事計画を!!
5.汚染土壌を扱うときの労働安全衛生法でのきまり事は?
6.作業環境によっては特定健康診断の実施も必要
7.事故が発生した場合被災者の状態チェックの方法は?
第6章 周辺環境への配慮
1.周辺を汚してしまったら全部の工事が失敗
2.対策工法の選定にあたっては周辺環境に配慮しよう
3.汚染物質の性状によりこんな拡散防止等の方法が①
4.汚染物質の性状によりこんな拡散防止等の方法が②
5.拡散防止したつもりがこんなところから ―ゾーン管理をしっかりやろうー
6.常に対策周辺の環境をモニタリング
7.周辺環境には搬出先も含まれる
8.工事着工前の環境調査は重要
9.工事の規模によっては環境影響シミュレーションの実施が必要
付録
1.環境基準
1.1 水 質
1.2 土壌の汚染に係る環境基準について
1.3 ダイオキシン類による大気の汚染、水質の汚濁及び土壌の汚染に係る環境基準
1.4 大気の汚染に係る環境基準について
1.5 ベンゼン、トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンによる大気の汚染に係る 環境基準について
2.土壌汚染に関係する水質等基準値比較表
3.作業環境測定が義務付けられた有機溶剤
4.作業環境測定が義務付けられた特定化学物質
5.参考資料
1)インターネット検索サービスによる検索の方法
2)地盤図について
3)ボーリング調査時の留意事項
4)環境基準とは(含有量参考値の意味も含めて)
5)複合汚染について(性質の違うものの汚染には細心の注意を)
索引
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